年齢の差なんて関係ない!!『残り物には福がある。』

年齢の差なんて関係ない!!『残り物には福がある。』

氷雨
氷雨

こんにちは、女性向けなろうコミックをレビューしている、氷雨と申します。

今回紹介する作品は、こちら。『残り物には福がある。』です。

この作品、ヒーローがオジサマであり、普通の作品よりもお相手との年齢差が強く出る作品になります。そして、主人公であるナコの破天荒さがとても良くかみ合っていると感じました。

やはり、良いですよね。包容力のある男性は……とても魅力的だと思います。

さて、早速ですが、あらすじと参りましょう!

あらすじ

異世界トリップしてはや一年。

あたしは正式に『役立たず』の処理済印を押され、王城から放り出される……はず、だった。

今人気の異世界召喚ものではありますが、その後の扱いが本当に雑の一言。

王子も少女であるナコに対し、「子ザル」と呼び胸がないなどいろいろと文句をつけてくるという……。

氷雨
氷雨

まぁ、俗にいう女の敵ですね!

しかし、この作品とても甘やかしてくれるんです。ナコのお相手である旦那様の優しさがとても身に沁みます。しかも、きちんとフォローも入れてくれる素敵な男性!

もし、今辛いと感じている方や甘えたいという欲求が強くなっているのであれば、この作品のヒーローである オジサマに癒されてみてください。やはり、年上の包容力はバカになりませんね。

神子としての能力

今作では主人公のナコが異世界に神子として召喚されるのですが、まず大前提として16歳の女の子です。しかも部活女子!そのため、人によるとは思いますが、とてもスポーティな恰好で召喚されています。

そのため、王様からは女として見られなかったのと同時に、いきなり「子ザル」などと呼ばれてしまいます。

また、神子として呼ばれているため何か能力を発揮するのかと期待されていますが、本人もまだ理解できていなかったため発現しませんでした。

しかし、この能力は今回のヒーローであるジルベルトの元へと向かってから現れます。それは、「若返り」というもの。

お互いに気持ちを通わせてなくてはならない存在だと自覚した後、二人は体を重ねるのです。

しかも、16歳と60歳の年の差……まぁ、普通ならありえないと感じますよね。

さすがに歳の差が開きすぎていると思いますし。

ですが、その差を埋めるように優しく満たしてくれるのが、ジルベルトなのですよ。読んでいて、こんな男性と結婚できたら、どんなにワクワクするだろうと想像してしまったのはナイショです。

しかし、この神子としての能力、発現したのがまさか肌を重ねたときという。なんとまあ、セクシーな展開に なっています。

氷雨
氷雨

作品自体も少し色っぽい表現もありますし、原作の「小説家になろう」の方でもR18の指定が入っている部分もあるので、苦手な方はご注意を……。

旦那様との出会い

しかし、今回の主人公のナコはやはりまだ16歳というのもあり、子供っぽく感じてしまう人も多いでしょう。さすがに高校生ですもんね。それでも、世間的な学生よりは周囲の人の考えに意識を向ける場面もありますし、自ら稼ごうと行動できるので自立はしているのかもしれませんが。

召喚されてから不憫な扱いを受けてきたナコに対し、ジルベルトやその屋敷の執事たちはとても親切に接してくれるのです。今までの傷を少しでも癒してほしいというように。

しかも嫁入りで相手の家に馬車で到着した後、かしずいてスカートのすそにキスをするという素敵な所作まで 見せてくれるとか……いや、本当にジルベルトのスマートさは正直ドキドキしました。これは、ときめきますよ!しかもしっかりと受け止めてくれると約束していますしね。

しかも自分とナコの年齢差をしっかりと自覚しているからこそ、「この老い先短い人生に彩りをいただけませんか?」なんて殺し文句まで言われたら……いや、誰でも落ちません?

これには、私落ちました。年上キャラは結構自分の好みに当てはまることは多かったですが、その中でもまさかオジサマがドストライクになるなんて、正直驚いています。

これは、ナコの気持ちもわかりますよ。初対面でそんな「王子様」みたいな歓迎されちゃったら、ノックアウト間違いなしです!そんな男性が旦那様になってくれるなんて、幸せ過ぎて少し怖いくらいですね。

主人公の不安と旦那様の不安

素敵な王子様のようなジルベルトとナコが一緒に過ごすようになってから、旦那様の心の中に不安がよぎるようになるのです。それは、自分が一緒にいても良いのかどうか。

自分とナコの年齢差を理解しているからこそ、一線を引こうとしてしまうのです。ナコについてきた侍女に指摘をされて、一番自分が年齢のことを気にしていると自覚する場面は、切なくなってしまいますね。

確かに、学生のときは年上の人がとても素敵に見えますし、頼れる人だと感じて自分との差も関係なく突っ込んでいってしまうものです。しかし、大人の方は本当に大丈夫なのかと不安だからこそ、予防線を引こうとします。

でもそれを乗り越えちゃうのが年下の特権でもあるんですよね。ナコの気持ちを受けて、ようやくジルベルトも受け入れる覚悟をしてくれるのです。その場面はとても微笑ましく、自分でもこんな告白ができたらよかったなと実感してしまいました。

一方、ナコが感じた不安は、ジルベルトと肌を重ねた後になります。二人で一夜を過ごした後、なんとジルベルトは若返ってしまい、大体20代くらいの外見になります。

その姿になったとしても、仕事は舞い込んでくるので離れて会えない時間も増えてしまうのですが、婚姻の報告書を出していなかったことが災いしジルベルトへたくさんのラブレターが届くようになります。

そして、同時に自分の知っているジルベルトとは違う姿であるからこそ、ナコも戸惑いが隠せずにいてすれ違ってしまうのです。さすがに驚きますよね……一夜にして、60代のオジサマが若いイケメン男子に早変わりですからね。

それに、ナコは現代での家庭環境の影響から自分の周りの人に迷惑をかけることに人一倍敏感だからこそ、申し訳なさから顔を合わせられなくなってしまうのもなかなか良いですね。お互いの気持ちがうまくかみ合わないこのじれったさが、ときめいてしまいます。

最後に

不器用ながらも少しずつ二人の気持ちを通わせていくその様は、とても微笑ましくナコの年相応の無邪気で奔放な様子は、見ていて安心感を覚えます。自分が相手に釣り合わないんじゃないかという焦りも、恋愛独特の気持ちですからね。

もし、今トキメキを欲していると感じているのなら、是非この作品を手に取ってみてください。また、優しくしてほしいと思うときにも、気持ちを落ち着かせてくれると思いますよ。

個人的に、この作品で私は年上キャラの良さを再確認した気がします。そして、女の敵がどんなものであるのかというのも。……だがしかし、王様許さぬ、慈悲は無し!さて、今回のレビューはここまでになります。

氷雨
氷雨

最後まで読んでいただきありがとうございます。また、次の作品でお会いしましょう!