全ては愛してる姉のため!「最愛のお姉様が悪役令嬢だったので、神が定めた運命に抗います」

全ては愛してる姉のため!「最愛のお姉様が悪役令嬢だったので、神が定めた運命に抗います」

氷雨
氷雨

こんにちは、女性向けなろうコミックを読んでレビューしている氷雨と申します。

今回紹介するコミックはこちら。「最愛のお姉様が悪役令嬢だったので、神が定めた運命(シナリオ)に抗います」です。

最愛の姉が悪役令嬢であるため、そのバットエンドを回避するために妹に転生した女性が奔走する作品となります。1巻目だけ読んだ感想となりますが、妹のキャラがなかなか個性的で楽しませてもらいました。

まずは、あらすじから参りましょう。

あらすじ

公爵令嬢レイラは、幼い頃から第二王子オズワルドとの結婚を決められていた。

真に彼を支えられるのは婚約者である自分のみ。

だからレイラは、必要以上にオズワルドを甘やかさず、ときには厳しい言葉をぶつけていた。それが彼女なりの愛だったからだ。

しかし、当のオズワルドにそんなレイラの思いは届いていなかった。

「小言ばかり言うお前なんかとの婚約は破棄だ! 代わりにお前の妹を妻として迎え入れる!」

「えぇ……」

スタートは婚約破棄から

レイラが今作の主人公とパッと呼んでいると錯覚しますが、実は妹の方が主人公となります。その妹が登場するのが、姉のレイラの婚約破棄の場面を見たところです。

しかし、そのレイラの婚約相手として挙げられていたのが第二王子であるオズワルドで、はちゃめちゃワガママな王子で有名な人物でした。

しかも、レイラとの婚約破棄の理由が、「愛想がないから」というものです。レイラはわざと小言を相手に言う立場にいるようにしていたのですが、それが裏目に出てしまった形となります。

そして、この婚約破棄のあとに誰を娶るのかと聞いたその返事は、妹の「ソフィーナ」を妻に迎えると言い出すではありませんか。

……はぁ、いやこれは酷い。しかも、普通この場合、姉は国外追放などで問答無用にひどい目に合うのが定番ですが、この作品は違います。

妹が広間へ呼ばれ無言で第二王子へ歩み寄る姿はとてもしとやかに見えるのですが、第二王子の手首をつかみギッとにらみながらの第一声は、「しね」でした。

氷雨
氷雨

いや、物騒!!しかもその後にオズワルドの顎へアッパーが入ってますから!……しかも第一声の時の表情の描写はとても迫力あるもので、ドキドキしてしまいました。

自分の敬愛する姉に対して何を言いやがるのかと詰める姿は、流石としか。姉が大好きで大切にしたいと考えているシスコンなソフィーナですが、それには訳があるのです。


シスコンには訳がある

ソフィーナがシスコンになったのは、妹が転生者だったからです。何かしらのゲームの中でレイラが悪役令嬢のポジションであることを知り、そのキャラが好きだからこそ滅亡するルートを外すために行動していたからです。

どこの転生者であるのかはまだわかりませんが、実際、レイラが好きだからこそ幸せになって欲しいという気持ちが原動力となっているのはわかります。

そして、その行動は何も知らないレイラや周りからは唐突なものに見えるでしょう。しかし、それだけ愛されているという気持ちが強まるからこそ、レイラも素直に受け止めているのです。

また、自分の邪魔をするものには容赦が無いからこそ、オズワルドの不用意な行動を防ぐために思考を書き換えるなどブラックな手も使います。

確かに、自分しか姉を救えないとわかったのであれば、確かに私もいろいろな手段を取ろうとはしますね。流石に洗脳まではしませんけれど……。

恋のキューピットになった妹

さて、姉の幸せのために奔走するソフィーナですが、自分がワガママ王子のオズワルドと婚約し面倒を引き受けてレイラには王であるアレックスとくっつけようと画策します。

実は、幼いころから2人を見てきたソフィーナはアレックスがレイラをずっと見つめていたことを知っていたからこそ、2人の背中を押すためのきっかけを作り出したのです。

今までの頑張りをすべてアレックスが見ていてくれたとわかり、レイラも自然と嬉しさが溢れ出すのを感じます。

そして、2人は結ばれ幸せの一歩を踏み出すこととなるのです。しかし、同時にソフィーナは姉の幸せを長続きさせるために転生者としての記憶を頼りに国を滅亡させないようにと行動します。

しかし、真面目にすごいなと思いますね。何度も繰り返しては自分の魔力や魔法の経験値を引き継ぎながら、自分の婚約者として選んだオズワルドの思考や性格をアンインストールするという手段を使うとは。

好きな人のためにどんな手でも使うのは覚悟が決まっていて面白いなと感じますね。それに、姉への愛情がとてつもないので、それだけ好きなキャラへ入れ込めるのは羨ましいです。

その行動力を見習いたい部分もあります……実際に、行動できるかは別ですが。ただ、別人格になってしまったオズワルドは、少し同情するかなと。

今までわがまま放題やってきたツケを払わされたといえば理解できますが、少し可哀想かなぁ。まぁ、わからんでは無い報復ですけどね。

終わりに

自分の推しのために行動できるのはとてもすごいなと感じますし、その原動力はとても大切ではありますが、なかなか見習えない部分かなと感じます。

登場人物の二面性や意外性を求めているのであれば、この作品はとても面白いと思いますよ。それと、悪役令嬢ものが好きな方にもハマると思います。

刺激が欲しいと考えているのであれば、ぜひ手にとってみてください。

氷雨
氷雨

では、今回はここまで。また次回の作品でお会いしましょう。