こんにちは、女性向けなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。
今回レビューする作品は、こちら！『メニューをどうぞ ～異世界レストランに転職しました～』です。
女性向けの中でも数が多い料理を扱う作品になります。まずは、あらすじからご紹介しましょう。
あらすじ
『急募 あなたも風光明媚なリゾート地で料理人として働いてみませんか？』
天中殺と大殺界を足したくらいでは生ぬるいと思えるほどの人生のどん底にいた前島栞は、そんなキャッチコピーにひかれて新しい仕事を選んだ。
新職場は、国営ホテルのレストラン。
個性あふれる人々と出会い、現地に少しずつ馴染みながら、見知らぬ食材を使い、栞はこの地にはなかった料理をつくりだしていく。
いきなり天中殺と大殺界と言われても分からない人もいますよね……これ、運勢最悪な真っ只中だと思っていただけたら大丈夫です。とにかく何をやってもうまくいかない中で、仕事を見つけた主人公がシェフとして働いていくという作品です。
主人公の興味は料理のみ！
……料理のみはさすがに言い過ぎたかもしれませんが、基本どんな食材が料理に使えるのかを考えている人になります。そのため、異世界の食材を使うときにどんな特性やクセがあるのかを見極める描写があるのです。
それを見て、やはり料理人は研究者と通じる部分があるんだなぁとしみじみ。確かに、自分の国にある食材であれば、活用方法が分かっているからこそ簡単に料理することはできるものです。しかし、今回の仕事場は異世界。さすがに未知の食材に対して向き合うのはなかなかに大変だと思います。
しかし、それでも楽しそうに料理をする主人公の前島栞、通称シリィはさまざまな料理を作っていきます。漫画で始めに出てきたのは皆さん大好きなスイーツ、「プリン」です！
やはり、元々日本にあった料理だからこそ異世界に持っていったときの反応はとても良いのでしょう。初めてプリンを食べた瞬間の表情……子供の反応を思い出しますね。
本当においしそうに食べる人の姿を見て、主人公も自然と嬉しくなってしまいます。
作る料理に魔力が宿る……だからこその危機もあり
彼女が作る料理はとても美味しく、同時にこの異世界の人たちの魔力を増幅するという効果を持っているようで、他の国から狙われているという描写も増えていきます。また、その中でも普通の日本なら学ぶ「生物」の授業の知識が役立つのです。
普通なら持っていない知識や技術、そして魔力の増幅の効果……その効果を色々な方面に活用できるからこそ、他の国も喉から手が出るほどに欲しています。異世界転移ものとしてはよくある展開とも言えるでしょう。
もちろん、本人は全くの無意識ですし、自分が扱う包丁がまさか魔剣だとは思っていない様子。
……というか、一つ疑問に思ったんですが、普通のシェフが「マグロ包丁」なんて扱えるものなんです！？あれ、特殊技能だと思っていました。
刀くらいの長さで魚などをさばくための道具なので、それを扱える主人公はやはりなろうの世界に生きているんですね……すげぇ。
このシリィを守ってくれる立場にある存在が、マクシミリアン第三王子。そして、主人公が働く国営ホテルのオーナーになります。少し童顔で黒髪ショートのイケメンで、印象は少し冷たさを感じる人です。しかし、甘いものが大好きという可愛らしい一面もある、茶目っ気たっぷりな人。ちなみに、栞の通称であるシリィの名付け親になります。
なろう系ってなると、主人公無双がお約束ですが、今作もなかなか面白いですよ。
意外とイケメンが少ない！？でもケモ耳もいるよ！
女性向けのなろうコミックには必ずと言っても良いほどに、イケメンが多数登場します。しかし、今作は少し少ないのかなと感じる部分が多々あるんですよね。それは、多分主人公の日常を主なストーリーとして描いているから。
また、基本的に人物同士の絡みよりも、料理の方をメインにしているので、あまり人間関係にフォーカスが当たりません。それでも、好みのイケメンはもちろん登場するんですけどね。
この作品でのイケメン枠は、主人公の契約者であるマクシミリアン第三王子と第三王子直属の部下であるメロリー、そして獣人のレオナルド。また、探索屋のダンナにエルフの補佐官……いやはや挙げてみると意外といますね。
この中でもキャラが濃いのは、やはりマクシミリアンとレオナルド、メロリーでしょうね。特にレオナルドは獣人でもありますので、リアクション芸が冴えているように感じています。
メロリーは読んだ感想として、ドМキャラなのかなぁと。主人公に冷たく返事をされて「それがいい！」とか言っていましたし……。
美形ってなんで残念な人が多いんだろう……。
探索屋のダンナは普通に良いリーダーって感じですし、褐色ポニーテールのイケメン男性でした。正直、この作品の中で私の好みはこのダンナさんですね。頼りになっていざという時に決断してくれる人は、好感を持てますし！一緒についていきたいと感じる人でもあります。
終わりに
まさか、現代世界での仕事ではなく、異世界転移からの就職という今までにないスタートだったのでびっくりしました。しかし、同時にこういう展開もなかなか面白いなと感じる部分でもあります。
もし、日常をのんびりと過ごす作品が好きな方や、お料理が好きな人はぜひこの作品を手に取ってみてください。料理の表現がとても丁寧な作品ですので、読んでいてお腹が空いてくると思いますよ。
実際、私もこの作品を読んで晩御飯を決めたりしてしまいました。真似できそうというか、現代の料理を別の世界で振る舞うという展開も素直に楽しそうだなと感じます。また、なろう主人公だなと感じる部分として、無意識のうちに異世界では異質なことをやってのける姿は、浮いて見えるけれど自分もやってみたいと感じさせてくれるんですよね。
そこが、なろう系の漫画を読むうえで楽しめるポイントになると、私は感じています。
それでは、本日はここまで。また次のコミックでお会いしましょう。