心がツラくなったときにそっと支えてくれるのは自慢の父の影「魔導具師ダリヤはうつむかない」

心がツラくなったときにそっと支えてくれるのは自慢の父の影「魔導具師ダリヤはうつむかない」

2021/11/17

氷雨
氷雨

こんにちは、女性向けなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。

さて、今回ご紹介する作品は、こちら!
「魔導具師ダリヤはうつむかない」です。

この作品、私が初めて女性向けのなろうに触れた思い出の作品になります。

まずは、あらすじからどうぞ……。

あらすじ

「すまない、ダリヤ。婚約を破棄させてほしい」

結婚前日、目の前の婚約者はそう言った。

前世は会社の激務を我慢し、うつむいたままの過労死。
今世はおとなしくうつむいて、いい妻になろうとして婚約破棄。

ダリヤは決めた。もう、うつむくのはやめる。
頑張って魔導具師の仕事をし、行きたいところに行き、食べたいものを食べ、飲みたいものを飲もう。
自分でできる限り、生きたいように生きよう、と。

あらすじから見ても、正直ダリヤが結婚する相手がろくでもない人だというのは伝わると思います。
その内容に関しても、きっちり触れていきますので、ご容赦ください。
そして、この作品の魅力はダリヤの芯の強さにあると、私は感じています。

日々の中で心が疲れてしまったと感じている人や、どこか気分が晴れないなとモヤモヤしている方がいるのなら、是非この作品を手に取ってみてください。

涙と共にすっきりとした気分を味わえると思います。

結婚相手はモラハラ気質?


さて、見出しにもある通りダリヤが17歳になった頃、父親の紹介で商会ギルドから兄弟子としてトビアスという青年がやってくるのですが……コイツが最低のおとこでして。
まだ、一緒に魔導具を作っているときはそこまでではないのですが、婚約をするとなってからは一転!

自分の思い通りになってほしいのかいろいろな指示をダリヤに出してきます。
まず、人前で酔うとみっともないから酒は一杯だけ。
傷が付くと外聞が悪くなるから、いろいろな実験や試作は控えること。

そして、化粧品の匂いが苦手だからしないでほしい。
髪は目立たない色に染めろ。服も落ち着いたものにしてほしいと……
えぇ、もういろいろと口うるさいほどに指示だししてくるのです!

絶っっ対に私だったらここまで言われた場合、一緒にいるのが嫌になってしまいます!

氷雨
氷雨

婚約破棄してやるわい!!

しかし、ダリヤはとても優しく、同時に父親のことを思って踏ん張っていたのです。
旦那のギルドが忙しく駆け回る中で、トビアスはダリヤにこう言います。

「婚約を解消してほしい。俺は……真実の愛を見つけたんだ!」

……まぁ、親同士が決めた結婚ですし、その親も亡くなっているため破棄はわかります。
でも、でもですよ?明日提出する予定の婚姻届けを書いているときに言います?普通!?いや、ありえないでしょう!

しかも、今住んでいる家にすぐ新しい婚約者と住みたいとか、血も涙もないのか!?
まぁ、離婚調停はつつがなく終わる、はずだったのですがね。ここで、またトビアスはやらかすんですよ。

何って?それは、『家の所有権を希望するのに、半分は貸しにしてほしい』とか言い出したんですよ。
どこの世界に浮気相手と住む家の金を嫁に半分借りるやつがいるんですかね?

その場は収まったんですが、他にも書ききれないほどのことがまぁいろいろと。正直、どれほどトビアスがやらかしているのかは、この作品を読んで確認してみてください!

私と同じように、怒り散らす人も出てくるかもしれませんね……あはは。

気持ちを切り替えて再出発!


離婚を終えてから、ダリヤは髪色を戻しバッサリとショートカットにチェンジ!

やはり、女性の場合気持ちを切り替えるために髪を切る描写は多いのかもしれません。
実際、気持ちもすっきりしますからね。

しかし、読み進めていくうちに、開発などの商標登録の手続きはとてもしっかりしているなと感じます。
魔導具の開発者名義などもしっかりと現代のように登録制になっているので、開発が別人の場合すぐにわかるようになっているのです。

ダリヤの中では、父親が作ったものに対しての思い入れが強いからこそ、とても大切にモノを扱っている印象を受けます。
また、前世の経験を頼りに周囲の人のためになるものづくりをする姿勢が、こちらも頑張れと背中を押されているような感覚になるのです。

また、離婚後のごたごたも相まってダリヤは自分個人のギルドを立てることになります。
その経緯も彼女の人柄あってこそと言えるもので、とてもスカッとするものになっているのです。
それだけでなく、どれだけダリヤの父親が慕われていたのかを示す場面でもあります。

その優しさに私も読んでいて胸が温かくなるのを感じました。
それと、同時にダリヤがどれだけ魔導具が好きなのかというのもわかりやすく描写されていて、どこかほっこりとする場面に仕上がっていると感じます。

ロマンスはじれったく、でもそれが良い!


仕事に邁進するダリヤの元にとある男性との出会いが訪れます。
その男性の名前は、ヴォルフ。

彼は魔物と戦って傷ついたところをダリヤに助けられ、逢瀬を重ねるのです。

その中で、彼はダリヤに好感を抱き少しずつ距離を近づけようと動いてくれます。
ダリヤ自身も悪くはないと思うのですが、どうしてもお互いの心の中にあるトラウマが距離を一定以上近づけられずにいます。

お互いに良い人だと感じているのに近づけない。

もう一歩、近づいたらこの関係が崩れてしまいそうだから、「友人でいよう」と決める姿はとてもじれったくなってしまいます!


氷雨
氷雨

しかし、お互いの気持ちも理解できるからこそ、この関係はとても尊いものに感じるのです。

正直、私自身もくっついてほしいという気持ちが七割、このまま友人として手を取り合ってほしいのが三割という感覚でいまして……。

良い恋愛だからこそ、一歩を踏み出すのが怖いと感じるのかもしれませんね。

あぁ、こんな素敵な恋をしてみたい……もう結婚していて子供もいますが。
作品の中だけでも、こうしてトキメキを味わえるのは、本当にマンガが好きで良かったと実感している今日この頃です。

最後に

夫と子供もいてとても幸せですが、毎日の中でちょっとこうした甘酸っぱい恋に触れられるのは、とても恵まれているなと感じています。

このときめき、是非皆さんにも味わってもらいたいです。
じれったいけれど、適度な距離感を保っていられる二人の今後の関係に、ワクワクしながら続編を待っていようと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この作品、私から自信をもってオススメできる作品ですので、是非お手にとってもらえたら嬉しいです。

氷雨
氷雨

それでは、今回はここまで。また、次回の作品でお会いしましょう。