人と竜のつながりが美しい『竜騎士のお気に入り』

人と竜のつながりが美しい『竜騎士のお気に入り』

氷雨
氷雨

こんにちは!女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します!

今回紹介する作品は、こちら!『竜騎士のお気に入り』です。

恋愛要素もしっかりありますが、どちらかというとファンタジー要素の方が強い作品だなと感じます。

まずは、あらすじからまいりましょう。

あらすじ

「私を、助けてくれないか?」

16歳の誕生日を機に、城外で働くことを決めた王城の侍女見習いメリッサ。

それは後々、正式な王城の侍女になって、憧れの竜騎士隊長ヒューバードと大好きな竜達の傍で働くためだった。

ところが突然、隊長が退役すると知ってしまって!? 目標を失ったメリッサは困惑していたけれど、ある日、隊長から意外なお願いをされて――。

竜の集まる辺境伯領の領主になった隊長のお役に立つのなら、竜達の接待と恋人役、お引き受けいたします!

堅物騎士と竜好き侍女のラブファンタジー。

基本的には竜優先の生活

幼いころから竜と関わってきた主人公のメリッサは、竜の扱いにも長けている女性です。そんなメリッサは密かに思いを寄せる相手がいました。

それは、憧れの竜騎士隊長であるヒューバードです。ヒューバードの方も、メリッサが自分の竜との仲が良い様子に安心感を覚えているようで。

そんな竜種との絆を結んだメリッサも、成人した後の身の振り方に悩んでいました。

その悩みを解消してくれたのが、ヒューバードです。自分の兄が治めていた土地で不幸があったため、代わりに統治することになったとのこと。

その土地は辺境であり、竜がわんさといる場所。そのため、竜に慣れている女性でなければ難しく、適任なのがメリッサです。

しかも、兄の婚約者になりたいケバめの女性がヒューバードの婚約者になると言い張る始末。

これは、ヒューバードもなかなか胃が痛いですね……気苦労も多そうです。

竜の扱いに長けている女性だからこそ、その土地が辺境だとしても野生の竜がいるのならと二つ返事で向かいます。

その潔さはなかなか持てるものではないと思います。

主人公の恋はとてもゆっくりと……

仮の恋人としてヒューバードとともに辺境へ向かうメリッサ。その道中、彼からの振る舞いにドキドキしてしまいます。

今まで兄のように慕っていた相手から、甘く触れられるだけでもドキドキものですが、距離が一気に近づくのも心臓に悪い!

しかも、見目が整っている相手だとなおさらです。

メリッサもヒューバードと馴染みではあるものの、さすがにドキドキしてしまいます。

胸の高鳴りが止まないメリッサにヒューバードもどこか嬉しそうな反応を見せます。

そして、相棒である白の竜に会いに行く中で、メリッサは自分の気持ちに気づくのです。

その過程がまた、丁寧に描かれている気がして、個人的には好感触です。

ただ、他の女性向けなろう作品よりも、恋愛の進み方がとてもゆっくりとしているように思えます。

のんびりとした速度も作品自体と合っているので、違和感は覚えませんでしたが。

氷雨
氷雨

人によっては、恋愛要素どこ!?と感じる方もいるやもしれません。

竜の母親役に!?

竜種の扱いに慣れているメリッサが白の竜に会いに行った矢先、温めていた竜の卵に祈りを捧げた途端、生まれた子供の竜は青い子竜でした。

竜の色は、自然界に存在する色の中でも空に近いほど希少であり力を持っています。

そのため、青の竜はすべての竜の王となる存在なのです。

生まれたばかりの青の竜に対し、メリッサや白の竜が世話をすることとなります。

なぜなら、その青の竜の親は亡くなってしまったから。

その原因となる二人も出てはきますが、その話は置いておいて……。

青の竜はメリッサに懐き白の竜にも甘える様子を見せています。また、少しずつ大きくなり成長していく様も素敵だと感じます。

竜の描写も丁寧で読みやすいため、自然とのめりこんでしまっていました。

ファンタジーものでここまで生物への描写が丁寧な作品はなかなかないと感じますねぇ。

作画担当の方が動物好きなのかと感じるほどに、描写がきれいだしとてもやさしく描かれています。

というか、青がかわいくてっ!頭撫でてみたい……。

終わりに

この作品はどちらかというの、恋愛要素は薄めだと感じます。もちろん、ヒューバードとメリッサの関係はきちんと前へ進んでいますので、安心ではあるのですが。

同時に竜との関わりの方に重きを置いているのかなと感じる次第でした。

現在は8巻まで発売されている今作。もし、ファンタジーや空想の生物などが好きな方はぜひ手に取ってみてください。

竜の可愛らしさや凛々しさを堪能できると思いますよ。

氷雨
氷雨

それでは、今回はここまで。また次回の作品でお会いしましょう。