目が見えなくとも周囲の助けがあれば問題なし!『盲目の織姫は後宮で皇帝との恋を紡ぐ』

目が見えなくとも周囲の助けがあれば問題なし!『盲目の織姫は後宮で皇帝との恋を紡ぐ』

氷雨
氷雨

こんにちは、女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。

今回紹介する作品はこちら!「盲目の織姫は後宮で皇帝との恋を紡ぐ」です。

内容的には、盲目の宮女が後宮内で起こる事件や出来事を解決していくような作品となります。その中で少しずつロマンスが起こるなど、主人公が動くきっかけが生まれるのです。

では、この作品のあらすじからまいりましょう。

あらすじ

若き皇帝が抱える後宮には1200人の美女が集まる。その専属機織り宮女として召し上げられた氾蓮香(ハン レンカ)。

この国では国家の機密情報を帯の中に隠し伝えており、専属機織り宮女はその重要な役割を担う伝統的要職でもある。

彼女は盲目でありながら糸と糸の触れ合う音の変化で機織りを行う天賦の才がある。さらに蓮香は小さな物音が、人の心の動きや嘘までをも語ることを密かに知っており、その能力によって後宮で起こる様々なトラブルを解決していく。

そんな中、後宮の主・皇帝が2人存在するという重大な秘密を知ることとなる。秘密を守るために殺される……と思いきや何故だか溺愛されることに。

蓮香はただ機織りをして静かに暮らしたいのですが……そうもいかないようです。

主人公は盲目の宮女(美人さん)

主人公の蓮香は盲目の機織りをメインの仕事としている人物です。腕が良く后妃(こうひ)からも一目置かれる存在ではあります。

しかし、盲目だからこそ帯を織るのにも時間がかかってしまいます。凝った刺繍がある場合は、3センチ織るのに1日以上かかる場合も……。

そんな機織りを楽しみながらも仕事としてこなしている蓮香のところに幽霊騒ぎの知らせが届きます。その謎を傍付きの林杏(リンシン)と共に解決することに。

幽霊騒ぎの真相は、ぜひこの作品を読んで確かめてみてください。

がっかりするようなことはないとは思います。私もそこまで「なんだぁ」とは思いませんでしたし……。

この蓮香の謎解きは、視界を頼らぬ嗅覚と音がメインとなります。

嗅覚と音から自分がいる場所の広さなども歩数で把握しているのは、さすがというところでしょうか。

問題を解決した蓮香の褒美として本人は声をかけてもらえただけでと遠慮するものの、共の林杏はお渡りを要求。

正直、この声がきっかけで陛下も蓮香のもとへと通ってくれるようになります。

……なりますが、正直林杏の好感度は少し下がるなぁと心配になる場面でもありますね。

直情型の人だからこそ、後先考えずに行動してしまうのは、良くない気がしますし。

もちろん、本人に悪気がないのも少しイラっとするポイントかもしれません。

氷雨
氷雨

私だと、あの性格は少し合わないかなぁ……。

陛下のお渡りが続く……

約束の通り、次の日の夜に陛下が通ってきてくれています。しかし、そこで蓮香はふと違和感を覚えるのです。

そして一言、「陛下なのでしょうか?」と問いかけます。実は陛下は双子であり、傍付きである耀世(ヨウセイ)と双子であるという。

今回通いに来てくれたのは、耀世の方だったと種明かしをしてくれます。

そして、翌日。今度は陛下である瑛庚(エイコウ)が通いに来ます。

双子だからなのか、お互いに情報を共有しているため、今回の瑛庚はとても楽しそうにどちらかと聞いてきます。

どちらかというと、瑛庚のほうが無邪気で耀世はしっかりとしている印象を持ちますね。

それに、目が見えないからこそ声音から相手の反応や性格なども感じ取れるのはすごいなと。

個人的な好みの問題にはなりますが、双子の弟である耀世の方が好みかなぁと。

普段は落ち着いた雰囲気なのに、手紙などを出す際の文面からはとても情熱的な一面が覗くとか……ギャップ萌え的なものかなと考えておりました。

2人のイケメンに囲まれて

主人公のそばに2人のイケメン皇帝は、ある意味三角関係的にも定番でわくわくしながら読める部分ではあるのですが、どうしても悩ましい箇所がありまして……。

それが、皇帝たちの行動ですかね。難問を解決する蓮香に興味を示すのは分かるのですが、恋に落ちる要素ってどこかにありましたっけ?

恋愛感情を抱く描写があまりはっきりとしないなぁと感じてしまったので、もう少し深堀してくれた方が、わかりやすいですし共感を得やすそうな気がしました。

蓮香の初恋の相手に関しても、詳しい描写がなかったので、耀世がソワソワしていた雰囲気に違和感を覚えたりもしていましたね。

皇帝2人の魅力があまり描けていない分、どちらかを選べと言われても、なかなか難しいような気もします。私自身、たぶんどちらも選ばないかなって感じですし。

どちらかというと、この作品は謎解きやミステリーを楽しむ系の作品なのかなと考えていました。やはり、一番の目玉は後宮に持ち込まれる問題を解決するという流れですから。

個人的見解なので、読んでいる方で違うという意見もあるとは思いますが一言。

多分、これは原作者さんが恋愛とミステリーを両方頑張ろうとして、中途半端になってしまったのかなという印象を受けます。

もう少し恋愛の比重が重ければ、もっと面白い作品になったのではないかなと考えていますが、それは詮無き事ですので、ここまでとしておきましょう。

氷雨
氷雨

う~ん……ものすごく勿体ない。もっと面白くできそうなのですが。

終わりに

盲目というハンデを持った主人公が視覚以外の感覚を使って問題を解決する作品で、ミステリーの解決までの手腕はさすがでした。

そして、双子の皇帝というのもなかなか面白かったですし、片方が仮面で顔を隠すという設定もなかなか楽しかったと感じました。

ただ、残念なのがミステリーか恋愛かもう少し振り切れないと、中途半端になってしまうという点ですかね。

蓮香が盲目になった理由や幼馴染の存在、そして皇帝たちの恋愛感情の表現や描写を増やせばさらに面白い作品になるのかなと感じた作品でした。

もし、女性主人公のミステリーが好きな方、よければこの作品を手に取ってみてください。

主人公の優しさや勘の鋭さ、着眼点の良さなどを楽しめますよ。

それでは、今回はここまでとさせていただきます。

氷雨
氷雨

また次の作品でお会いしましょう。