こんにちは、女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。
今回紹介する作品は、こちら!「王妃になる予定でしたが、偽聖女の汚名を着せられましたので逃亡したら、皇太子に溺愛されました。そちらもどうぞお幸せに。」です。
なんでしょう……最近のなろう系の作品は、一昔前のライトノベルよろしくタイトル長くないですか!?
まぁ、タイトルだけでその作品の内容を想像しやすいのはとても良いことですが。
んん、何というか、わくわく感が少し薄れてしまうような気もします。
とりあえず、この作品のあらすじを見てみましょう。
あらすじ
「エルヴィラ・ヴォダ・ルストロ。お前を聖女と認めるわけにはいかない!
お前が育てていた『乙女の百合』は偽物だった!この偽聖女め!」
アレキサンデル様が、わたくしをそう罵ります。
皆が驚きの声をあげました。
「エルヴィラ様が聖女でなかった?」
「何かの間違いでは?」
それもそのはず。
本来なら、わたくしが、正統な聖女だと認定されるはずの儀式です。
それが、一転して、「偽聖女」呼ばわり。
さらにアレキサンデル様は、宣言します。
「聖女ではない女とは結婚できない!お前との婚約は白紙に戻す」
そこで、初めてわたくしは、口を開きました。
「――承知しました」
聖女でないのならここにいる意味はない
物語のスタートは、唐突な陛下からの婚約破棄からです。
しかも、その舞台は、主人公のエルヴィラが聖女として認められるための儀式の場で。
ん~、ある意味劇的な印象は周りに伝わりますが、そこはなろう系主人公。
さっくりと婚約破棄を受け入れて、もう1人の聖女に座を譲ります。
しかも、陛下であるアレキサンデルはそのまま後釜であるナタリアの補佐として、飼い殺しにしようとする始末。
しかも断ってから逆切れをするとは……。いや、考えが甘すぎやしませんか?
普通、婚約破棄をされた場合、一緒にいようとは思わんでしょうよ。
それに、自分から婚約を破棄しておきながら手元に置いておきたいとは。
すまん、アレキサンデルよ……女々しいにもほどがあるぞ。
まぁ、こういったロミオ男子ってなろう界隈には結構いる気もしますが。
正直、そういった男性は個人的に苦手ではありますが……。
敵役としては、ピッタリなんですよね。
手を差し伸べてくれたのはつながりのある皇太子
婚約破棄をされたからこそ国外に逃げようとしたエルヴィラですが、必死に引き留めるアレキサンデル。
何とか説得しようと言葉をかけるものの、返ってくるのは子どもの言い訳ばかり。
あのー、素直な感想ですが…手放したくないのなら、浮気するなよと。
主人公が従順でいたのは、立場があるからというのはきちんと理解しておかないと、勘違いで空回りしますかね。
何とか逃げるために思考を回す中で、声を上げてくれたのは主人公とのつながりのある帝国のルードルフ皇太子。
黒い瞳に同じ色の短髪のイケメンが名乗り出てくれます。
その場から退場するための口実もゲットしつつ、きちんと連れ出してくれる皇太子に、私も好感を抱きました。
しかも、イケメンだけでなくずっと長い間主人公に片思いをしていたという。
そりゃ何があってもチャンスはモノにしたいですよね。
そのチャンスをものにしたルードルフはエルヴィラをとても大切にしてくれます。
今まで以上に、その主人公の気持ちを大事にしながら、そばにいてくれるのです。
こう書き出してみても、いい男ですねルードルフ。
惚れた相手を傷つけないようにと、主人公に惚れてもらえるまで、手を出さないと宣言してくれます。
それに、相手が何を欲しているのかを考えながらも、危害が及ばぬように守ってくれますし。
うん、優しい男性ですね。
唐突な求婚でもその気持ちは本物
ルードルフが主人公に対して求婚したのは唐突ではありますが、一途にエルヴィラを愛していたからこそ。
そのため、自分をそんなに思ってくれている彼に応えたいという思いも、エルヴィラの心の中に広がっていくんですよね。
その様子はとても愛しく、ほほえましいものであり、見ていて自然と笑顔になります。
それに、聖女として振る舞う主人公を見ていると、凛としていて安心感も覚えます。
それだけ、ルードルフの存在は自然とエルヴィラの心の支えになってくれるのです。
何があっても大丈夫だと、自分の帰る場所はここだと自覚できるほどに、エルヴィラの中でルードルフの存在は大きいんですね。
終わりに
現在5巻まで出版されているこの作品ですが、久しぶりに一気読みをしてしまいました。
正直、この作品は個人的に好きですね。主人公とヒーローの関係性は、とても安心できますから。
それに、ヴィラン側の陛下と偽聖女もなかなか良い結末だったのではないかなと思います。
最終的に、微笑ましい関係性で進んでいるので。
それでは、今回はここまで。また、次回の作品でお会いしましょう。