突然の理不尽でも自分らしく!「聖女の魔力は万能です」

突然の理不尽でも自分らしく!「聖女の魔力は万能です」

2022/05/20

氷雨
氷雨

こんにちは、なろう系コミックをレビューしている氷雨と申します。

今回ご紹介するタイトルは、こちら。「聖女の魔力は万能です」という作品になります。

この漫画は2021年の4月からアニメとしても放送されていたもので、人気の高い作品です。

あらすじ

とにかく、まずはあらすじからまいりましょう。
二十代のOL、小鳥遊 聖(せい)は【聖女召喚の儀】により異世界に召喚された。

だがしかし、彼女は【聖女】とは認識されなかった。召喚された部屋に現れた第一王子は、聖と一緒に召喚された、もう一人の少女のみを連れて部屋を後にしたのだ。
置いて行かれた形となった聖はキレた。とっとと、この国から出よう。そう決心した。だが、現実はシビアである。結局、彼女は王宮内に留まることにした。

ただし、【聖女】とは名乗らず、【一般人】として。

スローライフの中でも恋愛をところどころに散りばめてあるコミックになります。キャラクターもなかなか個性的ではありますが、くどいとは感じない良い塩梅だと感じました。そして、主人公の聖(せい)がなかなか可愛らしい……。イラストも素敵なのですんなり読みやすい作品です。

異世界転移からの不運も次第に自分の能力で切り抜けられる強さ


物語の始まりから突然の異世界転移、そして自分ともう一人の女の子が召喚されたという設定に唐突だなと感じはしますが、それも物語を盛り上げるスパイスにつながります。

しかし、いきなり召喚されてしかも自分ではないもう一人の女の子にあなたが聖女なのかと王子にいきなり問いかけられるという流れに普通なら混乱してもおかしくないかと。しかも聖女と呼ばれたのはもう1人の女の子という流れ。

氷雨
氷雨

自分はなぜ召喚されたのか分からないからこそ、普通にキレてしまいますよ、これは。

それに、王子はそのあと音沙汰なし、謝罪もなし。この段階でとてつもなく好感度が一気に下がります。イラストでは格好良い赤髪の青年のようですが、なぜ2人に問い掛けないのか。その行動に疑問が生まれます。好みか?好みで選んだのか、王様よ……。

結局、薬用植物研究所にお世話になるのですが、そこで出会う面々がまぁイケメン勢ぞろい。しかも自分の趣味の知識を活かせるとなれば、やる気もわいてきます。研究所の所長の行動力もなかなか。手早く研究員にしてくれるのですから、できる上司というやつですね!

また、そこではポーションを作っているのですが、その作り方が昔の薬膳の作り方と近く感じます。薬草(ハーブ)を沸かした水に入れて煎じつつ、魔力を注ぐという、聞いているだけだと結構簡単そうに感じる作り方です。

作り方を知ってからは聖の本来の性質が表に出始めるので、なかなかコミカルな場面といえます。やはりゲームなどをしていると、自分のステータスをカンストさせたくなるのは、とても好感を抱きます。私も、同じタイプですので……。

作品を読み進めるうちに、やはり人の役に立ちたいと感じる主人公が多いのを感じます。そして、頼られるほどに嬉しくなってしまうのも、とても共感できる部分なので自然と本を読む手が進んでしまうのでしょう。

イケメンも多数登場!その中でロマンスの芽が……


この作品、結構イケメン多いです!まず、初めに出会う王子もとりあえずはイケメンですね……。色々難ありな感じも否めませんが。そして、薬用植物研究所の同僚であるジュードや上司のヨハン。そして、主人公が助けた氷の騎士の異名を持つアルベルト。

それぞれ雰囲気の違うイケメンですが、個人的な好みで言うのなら、やはり所長ですね。いや、大人の余裕を見せてくれるキャラはとても素敵です。しかも茶目っ気もあるときた。普通に乙女ゲームでいたら攻略対象に挙がっていてもおかしくないと思います。

また、騎士団の団長を務めるアルベルトも正統派のイケメンです。金髪にブルーグレーの瞳、しかも気を許した相手の前だけ穏やかで基本冷徹だなんて、良いギャップとしか言えません。

氷雨
氷雨

恋をするなら、ヨハン。夫として一緒にいたいと思うのはアルベルトだなぁ、と読みながら妄想にふけってしまいました。

主人公の聖もアルベルトが一番好みの外見だと言っていますし、とてもきれいな人なのでしょう。

私自身アニメは視聴してはいませんが、それぞれのイケメンキャラに有名声優さんも当てられているので、声と動きが付けばさらに魅力的なキャラになりそうだと感じます。いいですよね、自分の好きなキャラクターが、動いて話してくれるというのは。

その中でも、この作品では聖とアルベルトのロマンスが少しずつ描かれています。食事を一緒に取ったり、街に買い出しに行きつつ帰り際に主人公が気になっていたアクセサリーを贈ったりと完全なるデートです。うらやましいですよね、さりげない贈り物とか、ときめいてしまいます!

恋愛に耐性がないからこその鈍感さ


この作品、恋愛色を前面に押し出している訳ではないので、とてものんびりと時間が過ぎていくような感覚があります。その物語の中で、緩急のように恋愛モードが入ってくるので、少し驚いてしまいますが、それは主人公も読者と同じ様子。

もともと仕事をメインとして生活していた聖は恋愛に耐性がありません。そのため、そっと手を繋いでもらえるだけでも、照れて慌ててしまうのです。それは、自分を喪女と呼ぶくらいには耐えられないと感じている様子。

……確かに、仕事一筋でいれば、なかなか恋愛する余裕もなくなりますよね。だからこそ、急接近はとても心臓に悪い!いきなり馬に相乗りとかできませんから、普通は‼……でも、女性なら一度はしてみたい物事の1つではあると思います。

主人公も距離感におののいていましたが、少しずつ慣れていく様子は好感が持てます。そして、一緒に街へと出かけるシーンも日常の一コマではありますが、とても穏やかで自然と笑顔がこみあげてくるような描き方をされているのです。

そのため、読んでいる側もほっこりとする場面が多いと感じます。しかも髪飾りのお礼にとアクセサリーを作って顔を見せに行く辺り、聖もアルベルトのことが気になっているのではと感じる描写です。

しかも、そのお礼が手の甲へのキスとは……王子様のような行動にドキドキしてしまいます。実際、聖も記憶がそこから曖昧になっていますし。恋愛経験が少ない女性にとって、その行動は心臓に悪いのです。いや、本当に……。

ですが、そんなドキドキもこの先少しずつ話の展開的に少なくなりそうな予感。私は2巻まで読ませていただきましたが、これから聖の能力や第一王子、他の国とのやり取りなど少しずつ物語に波が出てきそうな感じがします。

おわりに

毎日に疲れてのんびりしたい、癒されたいと感じている人は、ぜひこの作品を手に取ってみてください。穏やかな時間の中にちょこちょこと恋愛が絡んでくるので、胸がキュンキュンしてきますよ。

それに、主人公も真っすぐで誠実な姿勢を貫いてくれるので、自然と好感が持てます。相手のために頑張りたい、力を使いたいと行動している姿に、そっと支えたくなるようなキャラクターになっているといえます。

氷雨
氷雨

それでは、また次のコミックでお会いしましょう!