何かに夢中になる人ほど魅力的なものはない!『虫かぶり姫』

何かに夢中になる人ほど魅力的なものはない!『虫かぶり姫』

2022/06/10

氷雨
氷雨

こんにちは、女性向けなろうコミックをレビューしている、氷雨と申します。

今回紹介する作品は、こちら!『虫かぶり姫』です。

書籍にしか興味の無い姫であるエリアーナと王国の王太子とのロマンスが描かれるこの作品、始めはどのように進んでいくのかと不安を感じていましたが、きちんと丸く収めてくれる展開でした。いやぁ、やはり王道のラブロマンスは良いですね!

あらすじ

内容を語る前に、まずはあらすじから参りましょう……。


麗しの王子、クリストファー殿下の婚約者として過ごしてきた侯爵令嬢、エリアーナ・ベルンシュタイン。

本好きが高じて彼女につけられたあだ名は、本の虫ならぬ「虫かぶり姫」。
王子とは名ばかりの婚約関係だが、そんな彼女の耳にも最近とある噂が入ってくる。

権力闘争をおさめた王子は、ようやく意中の姫君を妃に迎えられるとか。

そして彼女はある日、王子が素の自分を噂のご令嬢に見せている現場を目撃する。

婚約者のお役目はこれで終わり。なのに、なぜ胸が痛むのでしょう……。

この作品、個人的なポイントとして、主人公がとても可愛らしい!本当にほんわかしていて、ふわふわと穏やかな様子にこちらも癒されてしまいます。そして、クリストファーを筆頭に側近がイケメン揃いであることもポイントが高いと思いますよ。

もし、心の中に潤いが少ないと感じていたり、癒されたいと感じたりする方にこの作品をオススメしたいと思います。自分の好きなことに熱中できる女性は素敵ですからね。

婚約よりも本が好き!


まず物語が進む前提として、この主人公であるエリアーナの家系はみんな読書好きで有名であり、自分の書籍を読む時間を邪魔されるのが嫌いという設定があります。そのため、エリアーナにも二つ名がついているのです。

それが、本の虫ならぬ「虫かぶり姫」。そのため、婚約の話が来ても頭の中に浮かんでくるのは、「読書の時間が無くなる!」という危機感です。いやぁ、でもその気持ちわからなくはない気がします。

やはり、私も結婚をして子供がいる状況で、自分の趣味に割く時間が極端に少なくなったなと実感する機会が多いです。それに、何か読書やゲームなどで楽しもうとすると、子供がもう興味津々な目で駆け寄ってくるという……。

なかなか自分だけの時間が取れないショックな気持ちは、理解できますね。いや、本当に。でも、子供と遊んでいるときの時間もまた、かけがえのないものですから、それはそれとして楽しませてもらっているのですが。

氷雨
氷雨

そう考えると、子どもに「本を読んで」とせがまれるのは、素直にうれしくはあるんですよね。わが子も本を好きになってくれるのなら、嬉しい限りです。

おっと、話が逸れてしまいました……。この作品の主人公は本当に書籍が好きな人物であり婚約を結ぶクリストファーと話をつけたのも、さまざまな書籍が集まってくる王宮書庫室への立ち入りが許されるからという徹底ぶり。

ここまでキャラクターがしっかりしていると、読んでいるこちらも安心して見守ることができます。それに、キャラがブレないからこそ、読んでいる中で展開は読めてしまうものの、それがまた楽しいと感じさせてくれる作品なのです。

側近たちもなかなか美形揃い


いやぁ、しかし、本当にクリストファーは美形ですね。書いている漫画家さんのイラストもそうなのですが、とても恰好よくてドキドキしてしまう場面が多いと感じます。

少女マンガを描きなれている人だなと感じる部分も多いですし、クリストファーだけでなく、側近の面々もなかなかの美形!もし、自分が独身であるのなら、いろいろお話してみたいと感じますね。そして、ゲームのように許されるのなら、恋人に……。

なんて夢を見せてくれるのが、この作品だと言えます。個人的な好みの話になりますが、作中で登場するイケメンの中でも、私は赤髪の騎士と呼ばれるグレンという近衛騎士がドストライクでした。

基本クリストファーの護衛を務めている彼ですが、明るくて気さくな雰囲気を持っているキャラになります。私、ワンコ属性を持っているキャラに惹かれる部分が多いのかもしれません。他の作品然り……。

他にも、側近のアレクセイはクール系男子であり、書庫の責任者であるテオドールは強面だけどとても優しいギャップ系男子といろいろなタイプの男性が多いので、自分の好みのキャラが一人は見つかるのではないでしょうか。

ワガママを言うのならもう一人、そうですね……俺様系のキャラクターがいるとさらに映えると思うのですが、作者様いかがでしょう?バリエーションが多いからこそ、誰が好みだとケンカにならずに済むところもありますからね。

ライバル登場からの自分の気持ちに気づく姿が可愛らしい!


王太子であるクリストファーに愛でられるエリアーナですが、二人の間に少しずつ暗い影が忍び寄ってくるのです。それは、新しいお妃候補の女の子が屋敷にやってくるというもの。

しかし、エリアーナ的には「あ、新しい人がいるんですね。」と本に夢中になっていてあまり気にしていない様子を見せます。しかし、その対応がまずかった……。周りから少しずつ距離を置かれてしまう状況になるのです。

当の本人は何が起きたのか分からず混乱してしまうのですが、これは新しく入ってきたアイリーンという女性が仕組んだことであり、周囲もアイリーンとの距離を詰めるように動いているように見えます。

その様子にエリアーナは寂しさを覚え、次第に自分は王太子のそばにいるには相応しくないと感じるようになるのです。そして、いつも通りに書庫へと本を返しに行ったとき、クリストファーとアイリーンが逢引きしているのを目撃してしまいます。

まあ、偶然見てしまうというのはありますが、その後も部屋で隠れて会っているのを見てさすがのエリアーナもショックを受けてしまいます。今まで好意を向けてもらっていた相手に背を向けられたと分かり、ここでようやく本以外のことに意識が向いていると自覚するのです。

そこから、しばらくは離れて過ごすエリアーナとクリストファーですが、その二人に転機が訪れます。それが、アイリーンの自作自演の行動です。エリアーナの評判を落とすために行動したのが裏目に出てしまい、自分の首を絞めることに繋がるのです。

いやぁ、このときのスカッとする感じはなかなか面白いですし、エリアーナの反応がまた良いんですよ。何というか、とても他人事のように状況を受け止めているというか。その天然っぷりがまたアイリーンのお粗末さを引き立てているのですが。

この作品の中でもなかなか面白い展開だったと思います。そして、側近の面々や周りがエリアーナから離れていた理由も明かされるので、すっきりとした感覚を味わえますよ。

私自身も、読んでいてクスクスと笑ってしまっていたのを覚えています。だって、アイリーンの行動が滑稽ですし、荷物を持っている主人公につき落とされたなどと……その時のショックを受けたアイリーンの表情は必見ですよ。

また、話は少し戻りますが、エリアーナが自分の恋心を察したときの反応や表情がとてもキュンキュンしてしまいました。恋を自覚すると、途端に相手を見つめる瞳に熱がこもるんですよね。

少女マンガを描いている漫画家さんたちは、その描写がとてもうまい!だからこそ、読んでいて感情移入できるのですが。私も自然と口角が上がっているのに気づきました。

氷雨
氷雨

本当に……人前でなくてよかった。

おわりに

今回は、「虫かぶり姫」をレビューさせていただきました。今キュンキュンしたいと感じている方や、イケメンに囲まれたいと感じている人、王子様との関わりにのめり込みたいと感じているのならぜひこの作品を手に取ってみてください。

現在コミックスは五巻まで出ているようですが、とりあえず一巻を読んでみて雰囲気が合うかどうかを試してみるのも良いと思いますよ。私は、この雰囲気、とても好みで楽しかったです。

氷雨
氷雨

それでは皆さん、今日はここまで。また次回の作品でお会いしましょう!