こんにちは、女性向けなろうコミックのレビューをしている氷雨と申します。
今回取り扱う作品はこちら!『悪党一家の愛娘、転生先も乙女ゲームの極道令嬢でした。~最上級ランクの悪役さま、その溺愛は不要です!~』となります。
極道の一人娘だった主人公が、転生先でとあるファミリーの一人娘として自分の許嫁と婚約破棄のために牽制し合うというお話。
詳細の前に、まずはあらすじからまいりましょう。
あらすじ
令嬢フランチェスカはある日、この世界が『裏社会の男たちを攻略対象にした乙女ゲーム』の中であり、自分がその世界のヒロインであることを思い出した。
だが、何よりの問題は……。
「……私!!前世で過ごした日本でも、『極道一家の孫娘』だったんですが!?」
常に命の危険があり、恋愛はおろか友達も出来なかった前世。
『生まれ変わるなら、今度は普通の家庭で過ごしたい!あと友達欲しい!』
そう願っていたはずなのに……
「私は、あなたが悪党だろうと絶対に見捨てない」
前世で培った極道の仁義を、今世も通してしまうフランチェスカ。
このゲームのメインストーリーでは、婚約者レオナルドこそが最大の敵。
フランチェスカの日常は、この悪役に引っ掻き回されてしまう運命なのだ。
だからこそ婚約破棄したかったのに、レオナルドは何故かフランチェスカに執着し始める。
「可愛いな、フランチェスカ。愛しているから、どうか俺を退屈させないでくれ」
「絶対に嫌!私はあなたの玩具じゃないの!」
だって今度こそ、平穏な人生を送りたい。
フランチェスカは、婚約者に溺愛されそうになりながら、必死に『普通の生き方』を目指すのだった。
転生先でも極道一家の愛娘
生前の生活は極道一家の一人娘であり、主人公のフランチェスカは自分の現状にショックを感じています。
その理由は、国の中でも名が轟いているファミリーの愛娘だから。
自分が生前プレイしていたゲームの世界の中へと転生し、その主人公であるフランチェスカに変わっている主人公。
自分の身に起きている展開に混乱してしまいます。
境遇が生前とあまり変わらない状況に、頭を抱える主人公。
しかし、生前の経験を踏まえたうえで、今世では普通の友人を作ることを決めます。
だってずっと夢だったんですから。普通の友達と過ごして楽しく暮らしたかった。
しかし、ゲーム内での立場は主人公。
だからこそ、どうやって普通の生活を送れるのかと考えるようになります。
自分の思いとは裏腹に、家の影響は大きく自分で何とかする力を持っているからこそ、努力を重ねるために行動し始めるのです。
そう感じるのは、生前の親代わりである祖父からの言葉。
『自分に降りかかることへの責任は自分で取れる人間になれ』
その言葉は主人公の行動の原動力となるものでした。
自分の婚約者が一番の敵
やはり裏社会の人間だからこそ、どうしても自分の周りの人間の振る舞いが気になります。
でも、そりゃそうだろうと感じますよ。
必死に普通の家の子どものように生活しようと考えるも、うまくいかないことにもどかしさを覚えるのです。
そして、自分がプレイしていたゲームの主人公とその許嫁であるレオナルドとやり取りが増えていきます。
パッと見すごいイケメンなんですけどねぇ……。
でも、気配を周りに感じさせない能力や銃器の扱い、肝の据わり方を見ても裏社会の人であるとはっきり分かる。
いや、確かに正直恰好いいとは思うけれど、どうしても近寄りがたいなと感じる部分が多数。
さすがに気まずかろうて……。
笑顔なのにも関わらず言っている言葉の圧が強いし、気持ちを読みづらい。
私もなかなか読み切れない部分が多く、苦手だと感じますねぇ。
仁義を通すほどに平穏から遠ざかる
祖父から大事だと教わった仁義を生活の中でも通そうと行動するフランチェスカ。
しかし、相手のために行動するほど、普通から遠ざかってしまいます。
もちろん、自分の家の影響もあるにはありますが、やはり主人公の行動が一一般と離れているからですね。
いや、わかりますよ。自分の境遇が一般的なものと離れている場合、憧れるのはわかりますが……。
うん、今の時代で義を通そうとする人の少なさよ。
基本、普通の人たちは見て見ぬ振りがほとんどだと思います。
その中で考えると、確かにズレていると感じる場面も多くなるでしょう。
上手く、自分の気持ちと普通との距離感をつかめないと、一般的な世界に馴染むのはなかなか難しいかも。
打開するのであれば、自分ができる事とできないことをはっきりさせる。
そこから、日常に馴染むきっかけも見つかりそうです。
……まぁ、その前に恋人であるヒーローから逃げる事が先決になりますが。
おわりに
極道の娘が夢見るのは、普通の生活と友人。
だけど、なかなか思うようには進まないところがまた、もどかしくもかわいいポイントなのかなと思います。
また、相手役のレオナルドもなかなかいいキャラしてますね。
腹が黒くて、笑顔で怖いことを言うけれど、内心ではフランチェスカを興味深いと感じている。
だからこそ、そばにいたくなってしまうのでしょう。
普通になりたい極道の女の子と裏社会の息子とのラブロマンスは実現するのか?
そんな、ハラハラするようなお話が気になるのなら、お手に取ってみてください。
それでは、今回はここまで。
また、次回の作品でお会いしましょう。